「いいところがあれば……」と転職活動をしていたTさんの、意外な仮病の使い方。転職活動をする人は、仮病を使わざるを得ないことがある。面接に行くために休みをとる時に、もらった内定を断るために、会社を辞める口実に……。そして、こんな意外な使い方もあったりする。TさんはメーカーA社の設備技術エンジニア。開発や営業に比べると、A社では会社の中心からは外れた、いわば裏方の仕事である。Tさんは、A社にそれほど大きな不満を持っていたわけではなかったが、親しくしていた友人が相次いで転職したという話を聞いて「自分も一度くらい、新しい可能性を試してみよう」と思い立ち、我々のもとに相談に訪れた。
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工場での勤務が前提となる設備技術職は、勤務地が全国に散らばっている。Tさんが応募したくなる求人は多くはなかったが、数社ほど、A社よりも好条件で、転居しなくてもよい求人を見つけることができた。その数社のうち、特にTさんの採用に前向きだったのが香料メーカーのB社だ。B社はTさんが扱ってきた設備をこれから導入しようとしており、即戦力としての職能を持っていると判断していた。