企業の求める人材を養成する

2012.01.07

企業が採用活動の早期化に動いたのも「大学はきちんと人材を育てていない。企業側が大学における学びの価値をあまり認めていないことも一因だ」といえる。しかし、国際教養大学や立教大学、金沢工業大学、立命館アジア太平洋大学などのように、産業界の人材ニーズに応える教育を行っている大学には、欧米で見られるように、企業の方から大学のキャンパスに出向き、「オンキャンパス・リクルーティング」を実施、積極的に採用に動いている現実もあるのだ。

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企業の欲しい人材はさまざまであるが、集約していえば「コミュニケーション能力に長け、困難に遭遇しても自分の頭で考え、問題を解決する、やり遂げる知力と胆力がある」、「新しいことに挑戦するチャレンジ精神に富み、リーダーシップがあり、チームワークを重んじる人材」ということになろう。「グローバル」、「多様性」、「ストレス耐性」、「ビジネス感覚」も求められる人材のキーワードだ。ケーススタディーで紹介した大学ではそうした能力を持つ人材をたくさん養成しているし、実際に企業のベテラン採用担当者に話を聞いても「AIUの学生は他の有力大学の学生を凌ぐ力を持っている」(三菱マテリアル)、「APUの学生だから採る」(富士通)、「立教の学生はリーダーシップとチームワークの重要性をよく理解し、就業力も高い」(日産自動車)といったように、評価が極めて高いのである。大学が授業で学生の能力を高めるように努力する。大学が産業界の人材養成ニーズに応えて変われば、企業の採用活動も変わるのである。国際教養大学の場合、卒業要件として一年間の海外留学を義務づけているが、日本に帰国するのが三年生の冬や四年生の前期にかかることも多い。就職シーズンに間に合わないのだ。それでも企業はAIU学生の能力を高く評価しているから、一括採用の対象でなく、通年採用ワクとして、採用担当者がわざわざ秋田のキャンパスにまで足を運び、面接までして採ってくれるのである。APUにしても毎年、約四〇〇社の大企業の採用担当者が大分のキャンパスを訪れ、企業説明会から筆記試験、面接選考まで行う大学の独自システムである「オンキャンパス・リクルーティング」に協力している。まさに大学が変われば、企業も動き、就活も変わるのである。




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