転職の文脈で考えると、肩書きにはこだわらない方がいい場合が多いと思う。一つには、重要なのは自分の仕事の内容と利用できるリソース(資源のこと。つまり、権限や予算、使える部下の数、オフィス環境など)であって、これらが満足であれば、別段問題はないからだ。たとえば、外資系の企業の場合、どんな仕事をして、どういったルールでボーナスをもらえるかが重要だ。肩書きに伴って管理的な仕事を増やしたり、多少のベースサラリー(固定給のこと)を増額したりすることよりも、チャンスの大小と評価と報酬決定の方法が大切なのだ。
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地位と年収総額が逆転することもめずらしくないし、肩書きは、下の方が気楽なケースもある。肩書きを上げて、ペースサラリーを増やすと、固定的なコストが大きいと見られて、リストラの際のターゲットになりやすいといった、「偉い方が損」となるケースもある。管理的な仕事が増えて、現場から(つまり顧客から)離れると、成果を上げにくくなることがあるし、個人的に持っている顧客を失うこともあるので、外資系の会社では、昇進を打診されても断るケースがある。このあたりの感覚は、日系企業にしか勤めたことのない方にはわかりにくいかもしれない。また、会社にもよるが、外資系企業の場合、日本語の肩書きは、ビジネスの都合と本人の好みに応じて柔軟に変えられることがある。たとえば、それで仕事がやりやすいなら、「本部長」というくらいの肩書きは、支店長なり、日本法人の社長なりの承認で誰でも適当に使っていい、ということもある。結局、肩書きは、仕事をするための手段であって、仕事の目的ではない。一般論として、肩書きを我慢して得るものかあるなら、肩書きにはこだわらない方がいい。