確かにひとときまったくの悲観論が日本企業を覆い尽くした。悲観や危機の頂点は不況の真っ最中での円レートの急騰であり、それは日本の製造業をパニックに突き落とすのに十分であった。為替レートで見る限り、日本の平均賃金はアメリカを上回り、この事態を前に経営者も従業員もうろたえる以外になかった。それは日本の製造業の輸出競争力を確実に奪うものであった。日本の製造業を襲ったのは、このような金融的混乱だけではない。
競争力を維持する日本の製造業... の続きを読む
不況期は、もう一度原点に立ち返って、時間限定勤務の人にいかに専門性を高めてもらうか、そしていかに時間当たりの生産性を高めてもらうかということに腐心するのがよい。厳しい環境のなかで、実質を問うのである。これを私は、制度に「中身を入れること」と呼んでいる。運用にこだわるのである。改めて専門性を高めることを求め、支援し、その専門性をもって組織に貢献し、自律的に働いてもらうことに挑戦すればよい。政府も育児
制度に「中身を入れること」が必要... の続きを読む
考えて見れば、「終身雇用」というのは約束された制度でも法律でもなく、かつての高度経済成長の結果、世間に醸成された期待感に過ぎない。企業は好況時には人手をより多く必要とするし、不況になれば必要としなくなる。ただそれだけのことで、今回の景気変動過程でもそうした企業の雇用行動が表面化したにすぎない。したがって平成不況で目立った労働市場の逆転現象は、とくに日本の雇用制度が変わることを意味したわけではなかっ
雇用のしくみは長期的には大きく変容... の続きを読む
転職の文脈で考えると、肩書きにはこだわらない方がいい場合が多いと思う。一つには、重要なのは自分の仕事の内容と利用できるリソース(資源のこと。つまり、権限や予算、使える部下の数、オフィス環境など)であって、これらが満足であれば、別段問題はないからだ。たとえば、外資系の企業の場合、どんな仕事をして、どういったルールでボーナスをもらえるかが重要だ。肩書きに伴って管理的な仕事を増やしたり、多少のベースサラ
肩書きにはこだわらない... の続きを読む
気の短い上司にはそれが気持良いというのは判るが、ここにもひとつパソコンと人間との大きな違いがある。パソコンの電気代はいくら日本の電気料金が高いといってもパソコンの提供する働きにくらべれば微々たるものでほとんどタダのようなものだ。ところが人間の料金は世界一の高賃金である。一時間遊ばせておけば何千円というコストが飛んでゆく。ところが日本の会社のサラリーマン上司は中小企業の経営者のように自分のフトコロを
人間の料金は世界一の高賃金... の続きを読む
何らかの学校に通うような勉強について考えてみる。具体的には、海外の大学へのMBA取得などを目指した留学、国内で社会人を受け入れる大学院での勉強、司法試験や税理士など資格の取得を目指した専門学校での勉強といったものが考えられる。外資系の経営コンサルティング会社のように、いずれかの時点での海外MBA取得が半ば勤務継続の条件になっているような場合を別として、個人が自発的に勉強しようと決意して、何らかの学
社会人の学校通いは投資より高級消費... の続きを読む
ハードな働き方のできる人だけが生き残れるような、仕事の抱え込みや奪い合いを繰り返していくようなやり方では、やがて社会は行き詰まってしまう。そうではなく、誰もが、力が発揮できる限り、生活や身体の状況にあわせて社会に参加し、自立して生活できるようなシステムが確立される必要がある。そのためにも、働き方のモデルを男性モデルから女性モデルにシフトさせ、男女がそれぞれ自立して生きられるような、公正な賃金と生活
日本の労働市場が解決しなければならないもの... の続きを読む
学歴に価値があるのは、じつは、こういうところなのかもしれない。だからといって、受験秀才が良い人材ばかりとはいえない。たしかに受験秀才は目の前に課題が与えられると、その課題の本質を分析し、それを解決するための効率的な方法を見つけだし、実際にそれを解決する、という一連の作業をやるのに秀でた人たちである。こういう人たちが世間では「頭が良い」とされ、事務系・管理系の仕事では重宝されてきた。一方、受験秀才は
会社のニーズに応える実力の指標とはならない可能性も... の続きを読む
「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」(以下「派遣法」という)は、日本の雇用システムの維持を大前提としていました。むやみに正社員との代替を促すことがないよう、常用代替を禁じ、対象業務を26業務に限定してきました。しかし平成11年中の改正により、対象業務を原則自由として、禁止業務をリストアップする(ネガティブリスト化)形式となりそうです。派遣法にも雇用流動化
法改正を先取りして派遣社員を使いこなす... の続きを読む
賃金制度の改革にともない、従業員間で賃金や賞与の支給額に格差をつける企業が増えてきました。特に、賞与を中心に個人間の支給額に格差をつける企業が増加しています。従来の賞与は、基本給の何ヵ月分という決め方がなされ、個人の成果を反映したものではありませんでした。また、企業業績とは関係なく業界内の横並びにより決められる傾向がありました。しかし、競争の激化など経営環境の変化により、個人間の業績により支給格差
賞与なら個人業績を反映しやすい... の続きを読む
特定不況業種の中でも、最も手厚い措置を受けてきたのが炭鉱離職者である。炭鉱離職者対策が手厚い理由は、様々な歴史を積み重ねてきたことや、石炭産業が国策であるということもある。彼らが離職して渡される求職手帳(?手帳)は、特定不況業種の緑手帳よりも支援措置が手厚いことを象徴的に表す黒色(「黒手帳」と言われる)であった。その最大の特徴は、最大3年間の長期間にわたって「生活の面倒を見る」というところにある。
日本にも手厚い離職者支援があった... の続きを読む
「大学時代はずっとアメフトー筋でした。よろしくお願いします」(学生)「……自己PRありがとうございます(なんかこいつ、眼が死んでいるなあ)」(面接言体育会出身であることをアピールする学生は多数いる。一般的に、体育会は就活に有利だと信じられているようだ。「精神力が強い」「体力がある」「縦社会の組織で生活してきたので、会社員生活に向いている」などがセールスポイントである。面接にわざわざユニフォーム姿で
「体育会は有利」神話... の続きを読む